【新人薬剤師のヒヤリハット】モンテルカスト(シングレア)のピッキングミス!小児の年齢別「剤形」使い分け(細粒・チュアブル・錠)と副作用(悪夢)まで徹底解説

医薬品情報・DI

こんにちは、薬剤師のおちょおまんです٩( ᐛ )و

さて、小児科の処方箋で「モンテルカスト(シングレア)」が出たとき、あなたは自信を持ってピッキングできていますか?

「5歳の子にモンテルカスト『錠』5mg…? あれ、合ってるっけ?」
「同じ5mgでも、チュアブル錠と錠剤があって混乱する…」

こんな風に、一瞬手が止まってしまった経験、ありませんか?

実はこのモンテルカストの剤形選択、年齢確認を怠ると調剤過誤につながる、非常に重要なポイントなんです。

さらに、「発作が起きた時に飲ませちゃった…」「副作用で悪夢を見るって本当?」など、服薬指導で必ず押さえておきたい重要ポイントも隠されています。

この記事では、モンテルカストのピッキングミスを防ぐための「年齢別使い分け」と、薬剤師として知っておくべき「服薬指導の重要ポイント」を、現場の会話形式でわかりやすく解説します。

モンテルカストのピッキングミスが「マジでやばい」理由

結論から言います。

モンテルカスト(シングレア)は、年齢によって投与すべき剤形が厳密に定められています。

特に注意すべきなのが「5mg」の規格です。

同じ5mgでも、小児用の「チュアブル錠5mg」と成人用の「錠5mg」は全くの別物。

まずは、薬剤師として絶対に間違えてはいけない「年齢別の剤形区分」を頭に叩き込みましょう。

その指導、間違ってない?モンテルカストは喘息「発作」には効かない

本題の前に、服薬指導における最重要ポイントを確認します。それは、モンテルカストが「発作治療薬(リリーバー)」ではないという点です。

喘息治療薬は、その役割によって大きく以下の2つに分けられます。

コントローラー(長期管理薬):毎日服用し、気道の炎症を抑えて「発作が起きにくい状態」を維持する薬。モンテルカスト(ロイコトリエン受容体拮抗薬)はここに分類されます。

リリーバー(発作治療薬):発作が起きた時「だけ」使い、急速に気管支を広げて呼吸を楽にする薬。(例:メプチンなどの短時間作用性β2刺激薬(SABA)吸入)

モンテルカストは、コントローラー(長期管理薬)であり、発作を今すぐ抑えるための即効性はありません。

もし患者さん(保護者)が「発作が起きた時に飲む薬」と誤解していると、いざ発作が起きた時にリリーバーを使わずモンテルカストを飲んでしまい、呼吸困難が悪化する…といった生命に関わる事態になりかねません。

「こちらは毎日飲む予防のお薬で、発作が起きた時に使うお薬ではありません」という指導は、薬剤師として絶対に省略してはいけないポイントです。

最重要!モンテルカスト(シングレア) 年齢別 剤形一覧

現場で迷ったら、まずこの区分を思い出してください。

【1歳 ~ 6歳未満】:「細粒4mg」

この年齢層には「細粒4mg」が適応となります。「錠剤」や「チュアブル錠」は適応外です。

【6歳以上(小児)】:「チュアブル錠5mg」

ここが最重要ポイントです。6歳(小学生)以上の子どもには、「チュアブル錠5mg」が適応です。チュアブル錠は、口の中で噛み砕いて服用するタイプの錠剤です。

決して「錠5mg」を渡してはいけません。

【15歳以上(成人)】:「錠5mg」または「錠10mg」

「錠5mg」や「錠10mg」(気管支喘息の場合)は、15歳以上からが適応です。いわゆる普通の錠剤(フィルムコーティング錠)ですね。

モンテルカストの処方箋を受け取ったら、まず「年齢」を指差し確認するクセをつけましょう。

1歳 ~ 6歳未満➡︎細粒
6歳以上15歳未満➡︎チュアブル錠
15歳以上➡︎錠

「チュアブル錠」はなぜ噛む必要がある?(飲み方)

この「チュアブル錠」、なぜわざわざ噛み砕く(または口の中で溶かす)必要があるのでしょうか?

薬局長、チュアブル錠って水でゴックンしちゃダメなのだ?

ダメ!あれは『ボリボリ噛んで』飲んでもらう薬!

水で丸飲みしちゃうと、ちゃんと吸収されない可能性があるの!

服薬指導で『噛んでください』って一言が大事なのだ!

メーカーが意図した効果を発揮させるためにも、「噛み砕く」という指導は非常に重要です。「水なしで飲める」という利便性だけでなく、用法として「噛む」ことが求められている点を忘れてはいけません。

見落とし厳禁!副作用「悪夢」「イライラ」のモニタリング

モンテルカスト(シングレア)の服薬指導で、頭痛や腹痛といった一般的な副作用だけでなく、薬剤師として特に注意を払うべきなのが「精神神経症状」です。

これには、添付文書にも記載されている「攻撃性」「易刺激性(イライラしやすくなる)」、さらには「悪夢」や「興奮」などが含まれます。これらの症状は、特に小児での報告が多いとされています。

頻度としては稀ですが、重大な副作用につながる可能性もあるため、私たちは保護者への情報提供とモニタリングの依頼が欠かせません。

具体的には、「お薬を始めてから、お子さんの様子がいつもと違う(急に怒りっぽくなった、イライラしている、悪夢を見るなど)と感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、すぐに処方した医師や薬剤師に相談してください」と伝えることが重要です。患者さん(ご家族)の不安に寄り添い、早期発見につなげるのが薬剤師の役割です。

まとめ:モンテルカストは「剤形」「用法」「副作用」の3点セットで覚えよう

今回は、モンテルカスト(シングレア)のピッキングミスと、服薬指導の重要ポイントについて解説しました。

【剤形】

  • 1歳~6歳未満 → 細粒4mg
  • 6歳以上(小児) → チュアブル錠5mg
  • 15歳以上(成人) → 錠5mg / 10mg


【用法・副作用】

  • 発作時は効かない(コントローラーである)ことを伝える
  • チュアブル錠は「噛み砕いて」飲むよう指導する
  • 精神神経症状(悪夢、イライラ等)の初期症状を説明し、モニタリングを依頼する

特に「5mg」の規格は、チュアブル錠と錠剤があり、小児科処方では細心の注意が必要です。年齢確認を怠ると、患者さんの安全を脅かす重大な過誤に繋がります。

肝に銘じるのだ…!
みんなも間違えないように気をつけるのだ!

参考文献

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400073_4490026F1168_1_05https://organonpro.com/ja-jp/wp-content/uploads/sites/10/2023/04/if_singulair.pdf
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