ランソプラゾールで下痢が止まらない?意外な副作用「膠原線維性大腸炎」と処方変更の意図【PPI副作用】

医薬品情報・DI

はじめに

こんにちは、薬剤師のおちょおまんです。

さて、皆さんの薬局でこんな処方変更を見たことはありませんか? 「胃の調子が悪いからPPIが出ているのに、なぜか下痢が続いて、ランソプラゾールから別のPPI(エソメプラゾール等)に変わった」

「胃薬を変えて下痢が治るの?」と思うかもしれませんが、これには明確な理由があるんです。今日は、PPI(特にランソプラゾール)の有名な副作用である「膠原線維性大腸炎」について解説します。

胃を治す薬を飲んでお腹壊すとか、本末転倒なのだ。
そんなことあるのだ?

それが結構あるんだってば。
特にランソプラゾールはずっと飲んでて急にピーピーになることあるから、マジで見逃し厳禁よ!

症例:ランソプラゾールからエソメプラゾールへの変更

先日、このような患者さんが来局されました。

  • 患者: 60代女性
  • 主訴: 「最近お腹の調子が悪くて下痢が続いてて。先生に言ったら薬が変わったんです。」
  • 処方変更: ランソプラゾールOD錠15mg → エソメプラゾールカプセル20mg へ変更

実はこれ、PPI(プロトンポンプ阻害薬)によって引き起こされる「膠原線維性大腸炎(Collagenous Colitis)」を疑った処方変更なのです。

膠原線維性大腸炎(Collagenous Colitis)とは?

【特徴】
・慢性の水様性下痢
・大腸粘膜直下の膠原線維帯の肥厚
・中年以降の女性に好発(男女比1:7)
・病因は不明であるが、遺伝的要因と環境要因が関与すると考えられている

なぜランソプラゾールが疑われるのか?

薬剤性の膠原線維性大腸炎の原因薬として、NSAIDs(痛み止め)と並んで報告が多いのがPPI(特にランソプラゾール)です。

ランソプラゾール特有のリスク?

全てのPPIで起こる可能性がありますが、国内外の報告を見るとランソプラゾールによる発症報告が多い傾向にあります。

治療法は「休薬・変更」

最大の治療法は、原因薬剤の中止です。 ランソプラゾールを中止するだけで、多くの症例で速やかに下痢が改善します。そのため、構造の異なる別のPPI(エソメプラゾール等)やP-CABへ変更する処方が取られます。

【まとめ】

  • PPI、特にランソプラゾールは「膠原線維性大腸炎」の原因になりうる。
  • 対策は「休薬」または「他剤(別系統のPPIやP-CAB)への変更」。

薬の副作用で新たな不調が出ては元も子もありません。 「胃薬でお腹を壊すこともある」という引き出しを持っておくことで、どこかのタイミングで役に立つかもしれないですね!

参考資料

https://www.med.ts-pharma.com/di-net/product/doc/1/04/1104_TAKEPRON_ODtab_PI.pdf
タケプロンOD錠添付文書

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/26599/3083_1666.pdf
Collagenous colitisの診断と治療

https://www.igaku-shoin.co.jp/paperplus/archive/y2022/di_01
[第1回]PPI(プロトンポンプ阻害薬)の副作用で下痢が発現する理由は? 機序は?

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