小児科投薬の注意点〜成人との違い・薬を飲むコツなど〜

DI室

はじめに

おちょおマンです٩( ᐛ )و
お子様の薬が来ると粉撒いたり水剤を量ったりとバタバタしますね。
バタバタしながらも体重・年齢で投与量が間違ってないか計算したりとてんやわんやです。
そのほかにも味のことや小児ならではの注意点などたくさんありパニックになりそうなので、わかる範囲での小児のお薬についてまとめていきたいと思います。



子どもと薬、小児と成人の薬物動体的違い

水分・脂肪の割合

水分・脂肪の割合が子どもから高齢者になるにつれ大きく変化していきます。

新生児  水分70%、脂肪13.4%
成人男性 水分60%、脂肪18%
高齢者  水分54%、脂肪30%
※残りはタンパク質とミネラル、今回は割愛
小児に水溶性薬物を投与する場合は、体重あたりの投与量を増量する必要がある。また成長するにつれ水分の割合が減るので投与量の減量も考えなければならない。

代謝酵素活性

小児では成人と代謝酵素の活性が異なっており年齢(月齢)をを考慮して薬物を投与する必要がある。CYP1A2は出生時にほとんど存在しておらず、生後1-3ヶ月で発現し始め、約3年かけて成人の8割程度の活性となる。
CYP3A4は出生直後に発現し1ヶ月ほどで成人の30%の活性となり、1-2年で成人値まで増加する。
一方CYP3A7は胎生早期から発現しているが、生後すぐ発現が減少し1年後までにはほとんど消失する。

CYP1A2で代謝されるテオフィリンを小児で使っていた場合、成長につれてCYP1A2の活性が高まる事でテオフィリンの血中濃度が低下し有効濃度以下となると症状が増悪することも考えられる。



子どもと薬、薬剤の苦味と飲みやすくする工夫

アジスロマイシン(ジスロマック)は苦味が強い薬です。そのため苦味を軽減するためにコーティングがされています。このコーティングが酸性の飲み物や食べ物と混ぜると取れてしまい苦味が強く出てしまいます。

飲みやすくするためにとオレンジジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなどと混ぜてしまうと逆に飲みづらくなるので注意が必要です。

また食物だけではなく酸性の薬と一緒に飲む事で苦味が強く出てしまいます。風邪薬として同時に処方されることが多いカルボシステイン(ムコダイン)も酸性の薬剤であり同時に飲んでしまうとアジスロマイシンの苦味が出てきてしまうため注意が必要です。

アジスロマイシンを飲みやすくする食物として最もおすすめなのがプリン、次点で麦茶、緑茶があります。

一方プリンが万能かというとそういうわけではなくトピラマート(トピナ)ではプリンと組み合わせてしまうととても飲みにくくなります。トピラマートでは麦茶と混ぜるのがのみやすくなります。

参考文献:南山堂、レシピプラス2025年冬号vol24.No1、もうこわくない子どもと薬、P.64

薬によって飲みやすくなる組み合わせが大きく異なります。小児科でよく出る苦くて飲みにくい薬についてはおすすめの組み合わせを押さえておくと投薬の時に役立ちますね。



子どもと薬、体重と年齢

小児の薬では体重あたりの投与量が決められてる薬、年齢で投与量が決められている薬があります。
体重で投与量が変わるものの例としてはムコダイン細粒50%などがあり、1回10mg/kg 1日3回
年齢で投与量が変わるものの例としてはクラリチンDS1%などがあり、3歳以上7歳未満で1回5mg、7歳以上の小児で1回10mg

年齢で剤型が変わる薬もあります。
モンテルカストは1-6歳未満は細粒 、6歳以上の小児はチュアブル錠 、15歳以上は成人となり錠剤となります。

また処方箋により製剤量と成分量が別れるのでその点も注意が必要ですね。

ぼくは店舗でよく出る薬は処方量が正しいかすぐ確認できるよう体重or年齢あたりの投与量をまとめています。



おわりに

まだまだ小児科では考えることもあるでしょうが、今日までで学んだことを一旦まとめてみました。
今後もお子様と触れ合って学ぶことがあれば随時更新していきたいと思います。今回はこの辺りで

それでは٩( ᐛ )و



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