リンデロンAから「レボフロキサシン+プレドニン」へ変更された理由。日本人に多い「フラジオマイシン」の接触皮膚炎【交差反応にも注意】

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はじめに

こんにちは、薬剤師のおちょおまんです。 先日、眼科の処方箋でこのような変更を目にしました。

・前回まで:リンデロンA液(ステロイド+抗生物質)

・今回から:レボフロキサシン点眼液1.5% + プレドニン眼軟膏

患者さんに話を聞くと、「前の目薬をさしていても、あんまり良くならなくて」とのこと。 「薬が合わなかったのかな?」と不思議そうにしていましたが、実はこれ、薬の中に潜む「ある成分」が原因のアレルギーである可能性が高いのです。

その犯人は、リンデロンAに含まれるフラジオマイシンなんです。 今回は「フラジオマイシン」による接触皮膚炎について解説します。

リンデロンAなら1本で良かったのに、なんでわざわざ2本(抗菌薬+ステロイド)に分けたのだ? 手間が増えるだけなのだ。

手間が増えても『抜きたい成分』があったってことよ。リンデロンAに入ってて、新しい薬に入ってないもの、なーんだ?

抗生物質の『フラジオマイシン』なのだ?

正解! 実はそのフラジオマイシン、日本人にとって『かぶれやすい』成分って知ってた?

【症例解析】なぜ処方が変更になったのか?

今回のケースを整理してみましょう。

・変更前【リンデロンA液】 
 ベタメタゾン(ステロイド) + フラジオマイシン(アミノグリコシド系抗生物質)

・変更後
 プレドニン(ステロイド) + レボフロキサシン(ニューキノロン系抗生物質)
 

ドクターは「ステロイドでの炎症止め」と「抗菌作用」は継続したいと考えています。 しかし、あえて合剤であるリンデロンAの使用を中止し、薬剤を2つに分けてまで変更した理由は一つ。 「フラジオマイシンによる接触皮膚炎(アレルギー)」を疑ったからです。

もし漫然とリンデロンAを使い続けていたら、ステロイドで一時的に炎症は抑えられても、原因物質(フラジオマイシン)を塗り続けることになるため、症状は一進一退、あるいは悪化していたでしょう。

【衝撃の事実】日本で一番かぶれる成分「フラジオマイシン」

「薬でかぶれるなんて稀でしょ?」と思うかもしれません。 しかし、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が選定する「ジャパニーズスタンダードアレルゲン(JSA)」において、フラジオマイシン(硫酸フラジオマイシン)は陽性率が高い原因物質25種の1つに含まれているのです。

・JSAとは:日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が選定した日本人で陽性率が高い原因物質25種類のこと。

つまり、市販薬の「フルコートf」や「クロマイ-P」、処方薬の「ベトネベートN」などに含まれる「フラジオマイシン」は、日本人にとって「最も身近なアレルゲン」の一つなのです。

【要注意】アミノグリコシド系との「交差反応」

フラジオマイシンでアレルギーが出た患者さんは、今後「アミノグリコシド系抗生物質」全体に注意が必要です。 似た構造を持つ以下の薬剤でも、交差反応によりアレルギー症状が出るリスクがあります。

・ゲンタマイシン
・トブラマイシン
・カナマイシンなど

今回の処方変更でも、同系統のアミノグリコシド系を避け、ニューキノロン系(レボフロキサシン)に変更となっております。

【薬剤師の対応】患者さんの「薬歴」をアップデートせよ

このような処方変更を見逃さず、患者さんから「前の薬で痒くなった」という情報を引き出せた場合、単に「リンデロン合わなかった」と書くのではなく、フラジオマイシン(アミノグリコシド系)による接触皮膚炎の疑い」と具体的に記録しましょう。 これにより、将来「ゲンタシン」などが処方された際の監査で、患者さんを守ることができます。


【まとめ】

・フラジオマイシンは「ジャパニーズスタンダードアレルゲン」の上位常連であり、感作成立しやすい。

・フラジオマイシン感作例では、ゲンタマイシンなど他のアミノグリコシド系とも交差反応を示すことがある。

・代替薬としては、ニューキノロン系(レボフロキサシン、オフロキサシン等)が選択されることが多い。


参考資料

https://tohohihuka.com/detail.html?no=39123
接触性皮膚炎 各論そのⅧ フラジオマイシン 2021年3月

https://fuji-hsp.jp/disease/contact-dermatitis/allergens/
アレルゲン(ジャパニーズスタンダードアレルゲン対応)について

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本記事の内容は、執筆時点での最新情報や一般的な薬学的知見に基づいておりますが、その正確性や安全性を完全に保証するものではありません。
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