こんにちは!薬剤師のおちょおまんです。
さて、新人薬剤師さんが服薬指導で特に戸惑いがちな「ジクトルテープ」。 あなたも「これって普通の湿布と何が違うの?」「なんで痛い場所に貼っちゃダメなの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、その疑問に答えるため、ジクトルテープの正しい知識を徹底的に解説します。この記事を読めば、自信を持って患者さんに説明できるようになりますよ。

患者さんが痛いって言ってる場所と
ジクトルテープの貼る場所がぜんぜん違うのだ!
処方箋書き間違えているのだ!
バッチリ疑義するのだ!

はい、ストーップ!ストップ!
それマジでやったら赤っ恥かくやつだから!
ジクトルテープは「貼る場所」と「効く場所」がガチで違うの。
あーしが秒で解説したげる!はい注目、注目~!
【結論】ジクトルテープは「貼るタイプの飲み薬」である
いきなり結論ですが、ジクトルテープと普通の湿布の最大の違いは、「作用の仕方」にあります。
- 一般的な湿布(モーラステープなど): 貼った場所だけで効く「局所作用」
- ジクトルテープ: 全身を巡って効く「全身作用」
この違いを理解するために、もう少し詳しく見ていきましょう。
なぜ痛い場所に貼らない?ジクトルテープと湿布の作用の違い
ジクトルテープの「全身作用」という特性こそが、痛い場所に貼らない理由です。一般的な湿布(局所作用)と比較してみましょう。
局所作用:貼った場所の炎症を抑える湿布
まず、ロキソニンテープやモーラステープといった一般的な湿布は、有効成分が皮膚から浸透し、貼った場所の筋肉や関節の炎症を直接抑えます。 そのため、「肩が痛ければ肩に貼る」という、非常に分かりやすい使い方になります。
全身作用:血液に乗って全身を巡るジクトルテープ
一方でジクトルテープは、皮膚から吸収された有効成分が毛細血管に入り、血液の流れに乗って全身を巡ります。 そして、体内で炎症が起きている痛みの原因部位に到達し、効果を発揮します。
これが、ジクトルテープが「貼るタイプの飲み薬」と呼ばれる理由です。

血液に乗せるのが目的なんだから、痛い場所にこだわる意味、ないでしょ?
ジクトルテープの正しい貼り方【貼る場所が重要な理由】
ジクトルテープの効果を最大化するには、「有効成分をいかに効率よく血液中に届けるか」が重要です。 そのため、貼る場所は痛みの部位ではなく、有効成分を吸収しやすい以下の部位と定められています。
・胸
・腹部
・上腕(二の腕)
・背中
・太もも
これらの部位は皮膚が比較的薄く、血流が豊富なため、薬の吸収に適しているのです。
服薬指導で必ず伝えるべき3つの注意点
この「全身作用」という特性は、服薬指導においても重要なポイントになります。最低限、以下の3つは必ず患者さんに伝えましょう。
貼る場所は「痛いところ」ではない
最も重要なポイントです。「このお薬は全身に効くタイプなので、痛い場所に関わらず、胸やお腹、腕などに貼ってください」と理由もセットで伝えましょう。
他の痛み止め(特に飲み薬)との併用は要確認
ジクトルテープは全身に作用するため、他のNSAIDs(ロキソニンなど)の飲み薬と併用すると、成分が重複し、胃腸障害などの副作用リスクが高まります。 市販薬を飲む場合も含め、必ず医師や薬剤師に相談するよう指導することが重要です。
毎日貼る場所を少しずらす
貼付剤全般に言えることですが、皮膚への負担を減らすため、毎回少しずつ場所をずらして貼るよう伝えましょう。かぶれ(接触皮膚炎)の予防になります。
まとめ:作用の違いを理解すれば、もう迷わない!
今回は、新人薬剤師さんが混同しがちなジクトルテープと湿布の違いについて解説しました。
ジクトルテープは「全身作用」を持つ「貼るタイプの飲み薬」である。
この本質さえ理解しておけば、貼る場所の指導も、副作用の説明も、自信を持ってできるようになるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/1147700S1028_1?user=1
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